Vol.37 SPECIALIZED KENEVO SL

先日5月14日に発表になったばかりのe-BIKE(電動アシスト付きスポーツ自転車)。

SPECIALIZED KENEVO SLをご紹介します。

このバイクはオールマウンテンのジャンルにあたるダウンヒル寄りのマウンテンバイク「ENDURO」に電動アシストユニットを搭載したバイクです。

マウンテンバイクって「下りは楽しいけど、登りが大変なんだよね。」という人に乗ってもらいたいバイクです。登りはエスカレーターになるので、いつものトレイルを何本でも走れるようになります。いやむしろ登りすら楽しめるようになります。

フロントとリアにそれぞれ170㎜ものロングストロークサスペンションを搭載し、あらゆるトレイルを走破できるようセッティングされています。トレイル?近くにないな。。。と思っている人は間違えです。トレイルはどこにでもあります。例えば歩道と車道の間の段差や2~5段ほどの小さな階段。降りれる河川敷や堤防の斜面。このバイクに跨るとすべてのギャップや障害物が走るための遊具に見えてきます。家のまわりを30分も走れば十分満足できると思いますよ。170㎜ストロークを存分に働かせていろいろなギャップに挑戦してみてください。

オールマウンテンモデル「ENDURO」と同様のサスペンションシステムの下にSLモーターが内蔵されています

スペシャライズドのe-BIKEは世の中にあるe-BIKEの中で唯一自転車らしい・・・つまり本来自転車が持つ走り込む楽しみを残しつつ、なおかつモーターアシストの恩恵を最大限に活用できるバイクに仕上がっています。モーター出力が突然現れることなく、あくまでペダリングに対して踏み力を追加してくれるセッティングなので、スイッチバックで急に出力してラインが膨らむこともありません。

モーターの出力を抑えることはバッテリー消費を抑えることにも繋がります。つまり軽量なモーターとバッテリーを搭載することによりバイク自体を軽くすることができます。SPECIALIZED のe-BIKEが乗りやすいのはバイク自体の重量が他社に比べて3~5㎏も軽量であること要因のひとつになっています。

ライド中でも好みの出力に調整できるリモートコントローラーが手元にあります。
下側のレバーはドロッパーシートポストのリモートコントローラーです。
サイズは通常のS・M・L・・ではなく、S2・S3・S4となります。フレームサイズは全てSサイズとしトップチューブの長さが違う3段階(海外では5段階。S1とS5は日本未入荷)を選べます。背の高さというより好みのライディングに合わせてサイズを選ぶイメージです。

価格は1,210,000円(税込)

vol.29 SPECIALIZED CREO SL COMP(e-BIKE)

「今年はe-BIKE元年だ!」と言い続けて早3年程経ったと思いますが、2020年春SPECIALIZEDのe-BIKE「TURBOシリーズ」の登場により、ようやくe-BIKEが動き始めたと実感しています。

e-BIKEの出始めは30万円超えが当たり前で、少しずつ安くなっていくことを期待して買い待ちされている方が多かったと思います。しかしSPECIALIZEDのe-BIKEは33万円から。メイン機種はロードタイプのCREO SL COMP(72万円)。ロードバイクとしても高額と言える70万円超えのバイクがどうしてこんなに売れるか。

それはSPECIALIZEDのe-BIKEが他社に比べて圧倒的に軽く、アシストのフィーリングがとてもナチュラルで、あたかも自分の足でペダルを漕いでいるかのような感覚になれるからです。スポーツバイクを乗る以上(アシストは欲しいが)あくまで自力で走っている感覚は大事。このCREOシリーズはわずか3㎏ちょっとの電動ユニットを抱えるだけで実業団選手並みのパワーを好きな時に好きなだけ使えるところが魅力。

アシスト領域は日本仕様で24㎞/hまで。10㎞/hまでは踏力の2倍を上乗せしてくれて、10㎞/hを超えると24㎞/hまで少しずつアシスト力が下がるようにプログラムされています。パワーモード、ノーマルモード、エコモードの出力特性を上記の範囲内でカスタムできることろも面白い。

Vol.22 SPECIALIZED Vado SL 4.0

スペシャライズドのe-Bikeは他社とは全く異なる発想で作られています。電動アシストを選ぶ際、出力はどのくらい?何キロ走れる?というところに注視しがちですが、実際どのくらいの出力が必要でバイク自体どうあるべきかを深く掘り下げた結果スペシャライズドは最大240W、トルクは35Nmと設定しました。この出力を出すために必要なパワーは自力で120W。合計で最大360Wを発揮します。もちろん200Wで踏み込めば440Wになるわけです。

ロードバイクにパワーメーターを付けている人はよくわかると思いますが、360Wで坂を上れればこのあたりの山は全てKOMを獲ることができるでしょう。ちなみに120Wの自力は無風の平地を時速20㎞/h程度で走っている時の負荷を想像してもらえればよいと思います。

つまりモーターアシストは240Wで十分ということです。かつてスペシャライズドのe-Bikeは500W以上モーターを搭載していた時期があります。そこから余分な出力を削って現在の240Wに落ち着いたわけです。

小さなモーターにすることで、フレームのジオメトリーを限りなくペダルバイク(電動ではない従来のバイク)に近くすることができ、小さなモーターは消費電力も少なくバッテリーも小型化。結果アシストユニット全体で約3㎏に抑えることができバイク自体も軽量化できるわけです。このVado SL 4.0は実測で15.8㎏でした。

重量・出力はともかく、e-Bikeは楽しいのか??という疑問が次に湧いてくると思います。これについては3年以上メーカーの担当者や他店の店長と議論してきましたが、ようやくここにきてe-Bikeの遊び方がわかってきた気がします。

それはご来店いただいた時に試乗車をつかってゆっくりお伝えします。

価格は330,000円(税抜)~