Vol.42 SPECIALIZED CRUX COMP vs cannondale SS EVO SE

今年発売された注目すべき2台のバイク

「SPECIALIZED CRUX」と「cannondale SupersixEvo SE]

この2台をグラベルロードバイクと言って片づけてしまうにはちょっと惜しいので

少しだけ説明しておきましょう。

まずはSPECIALIZED CRUX

2020年発売された快適・軽量ロードバイク「AETHOS」のテクノロジーを応用して生まれた

グラベルバイク。

AETHOSとは?昨今のディスク化+エアロ化でレーサーモデルがハイテク化していく中で、

多くのライダーが求める扱いやすくて高性能なバイクを最先端技術を駆使して作るという

テーマで生み出されたバイク。エアロコックピットやハンドル・ステム内にホースを

収めるなどの過度の装備を排し、最高の素材と最高の分析結果に基づくシンプルで

扱いやすいロードバイク。結果的に超軽量に仕上がったため、クライマーバイクのような

イメージがありますが、れっきとしたオールラウンダーです。

思い切った設計により、電動変速システムにしか対応しないということで価格がどうしても

ミドル・ハイグレードになっていました。

今回、新型CRUXを開発するにあたり、AETHOSにグラベルタイヤが履けるくらいのタイヤ

クリアランスを持たせ、同時に機械式変速システムにも対応するよう設計されています。

シルエットはAETHOSそっくりです。

続いてcannondale SupersixEvo SE

cannondaleのSupersixEvoと言えば、グランツールをはじめプロチームが使うオールラウンド

レーサーバイク。エアロ性能、軽さ、快適性能において世界トップクラスの性能を誇ります。

cannondaleのグラベルロードと言えばゼロピボットサスペンションを搭載したTopstoneが

有名ですが、踏み固められたフラットダートを高速巡行できるバイクとしてこのSEが

開発されました。名前の通りSupersixEvoをベースにエアロコックピットを排し、タイヤ

クリアランスを確保することにより40C以上のタイヤを装着することができます。

兄弟車にはSupersixEvo CXというシクロクロスバイクがあり、こちらはUCIのシクロクロス

ルールに則ったパーツ構成になっている以外、フレームの設計は共通です。

面白いことにSPECIALIZEDのCRUXも前作はシクロクロスバイクでしたので、この2台は

従来の設計の流れを一旦断ち切って、同時期に発売されたライバル車となってしまった

わけです。

価格は

SPECIALIZED CRUX COMP SRAM RIVAL・・・495,000円(税込)

cannondale SupersixEvo SE SRAM RIVAL e-Tap・・・594,000円(税込)

cannondale Supersix Evo CX SRAM RIVAL・・・495,000円(税込)

Vol.39 「CHUMS」の販売をはじめました

ポップな色使いと「ブービーバード」のキャラクターで人気のアメリカ生まれのアウトドアブランド「CHUMS」が入荷しています。

自転車をもっと身近に、普段の生活に馴染む「CHUMS」のアイテムで、自転車に応用できそうなものをたくさん用意しておりますので、手に取ってみてください。

どう使うかは・・・みなさまのひらめきに期待しています!

ボトルも、この通りカジュアルです。
ステンレスボトル320(2,750円)、ステンレスボトル550(3,300円)
S-WORKSにもぴったり収まります。真空二重構造ステンレスボトル320(2,750円)
練習会でなければこんなバッグで出かけたいですね(Small Banana Shoulder 5,060円)
バッグの中にはポーチが欲しいですね(Tidy Pouch 2,640円)
ブービーも連れて行けば心強いです(Booby Path Pouch 2,750円)
アウトドアギヤも拡充中
「CHUMS」で店内がにぎやかになりました

Vol.38 SPECIALIZED ROUVAIX

スペシャライズドのエンデュランスロードバイク「ROUVAIX(ルーベ)」が入荷しました。

エンデュランスロードとは?ルーベとは?簡単に説明しておきます。まずロードバイクと一言で言っても目的や性能によっていろんな種類があります。例えばランニングシューズの中にはウォーキング+αのものやトラックで使うもの、中距離、長距離。クッション性の良い物、軽い物。ロードバイクとは基本的に全て競技用ではありますが、軽くて登坂性能に優れるモノ。剛性が高くてスプリントに適しているモノ。エアロ性能が高く、高速巡行が得意なモノ。このROUVAIXは振動吸収性能が高く悪路を長時間乗っても疲れにくいバイクです。ではサイクリング用か?というとそうでもありません。先に述べたようにロードバイクは基本的に全て競技用です。ROUVAIXは舗装が悪く、距離が長いレース用に開発された競技用バイクです。

「ROUVAIX」とはフランス北部の町の名前。サイクリストの間では「パリ-ルーベ」というレースで有名です。パリからルーベまで250㎞以上走るレースですが、その工程には無数にパヴェ(石畳)区間があり、ライダーにも機材にも耐久性が求められます。そのレースの名前を冠したこのバイクは言うまでもなく「パリ-ルーベ」で勝つためのバイク。

身体とバイクが繋がるハンドルとサドル周りには他のロードバイクにはないギミックが入っています。ますハンドルの付け根部分にはFUTURE SHOCKというサスペンションが入っています。これにより悪路でバイクが暴れてもライダーはバランスを崩すことなくペダリングに集中できます。シート部分はシートポストをフレームの奥の部分で固定してあり、シートポスト全体がしなるように作ってあります。

ステムの下にはサスペンションが入っています
シートピラーはシートステー直上で固定されています

フレーム自体はTARMAC譲りの高剛性で廉価モデルでもFACT10Rのカーボンを使っており、軽さ、反応性は申し分ありません。エンデュランスロードは走らない・・・という概念はこのバイクに限ってはまったくありません。

速いバイクが快適で何がわるい!!

特に日本の超ショートなロードレースにぞっこんでなければ、このバイクがBEST BUY!だと思います。

今回入荷したこのROUVAIXは当店の試乗車兼レンタサイクルとしてしばらく活用しますので、この機会にぜひ一度堪能してみてください。

Vol.37 SPECIALIZED KENEVO SL

先日5月14日に発表になったばかりのe-BIKE(電動アシスト付きスポーツ自転車)。

SPECIALIZED KENEVO SLをご紹介します。

このバイクはオールマウンテンのジャンルにあたるダウンヒル寄りのマウンテンバイク「ENDURO」に電動アシストユニットを搭載したバイクです。

マウンテンバイクって「下りは楽しいけど、登りが大変なんだよね。」という人に乗ってもらいたいバイクです。登りはエスカレーターになるので、いつものトレイルを何本でも走れるようになります。いやむしろ登りすら楽しめるようになります。

フロントとリアにそれぞれ170㎜ものロングストロークサスペンションを搭載し、あらゆるトレイルを走破できるようセッティングされています。トレイル?近くにないな。。。と思っている人は間違えです。トレイルはどこにでもあります。例えば歩道と車道の間の段差や2~5段ほどの小さな階段。降りれる河川敷や堤防の斜面。このバイクに跨るとすべてのギャップや障害物が走るための遊具に見えてきます。家のまわりを30分も走れば十分満足できると思いますよ。170㎜ストロークを存分に働かせていろいろなギャップに挑戦してみてください。

オールマウンテンモデル「ENDURO」と同様のサスペンションシステムの下にSLモーターが内蔵されています

スペシャライズドのe-BIKEは世の中にあるe-BIKEの中で唯一自転車らしい・・・つまり本来自転車が持つ走り込む楽しみを残しつつ、なおかつモーターアシストの恩恵を最大限に活用できるバイクに仕上がっています。モーター出力が突然現れることなく、あくまでペダリングに対して踏み力を追加してくれるセッティングなので、スイッチバックで急に出力してラインが膨らむこともありません。

モーターの出力を抑えることはバッテリー消費を抑えることにも繋がります。つまり軽量なモーターとバッテリーを搭載することによりバイク自体を軽くすることができます。SPECIALIZED のe-BIKEが乗りやすいのはバイク自体の重量が他社に比べて3~5㎏も軽量であること要因のひとつになっています。

ライド中でも好みの出力に調整できるリモートコントローラーが手元にあります。
下側のレバーはドロッパーシートポストのリモートコントローラーです。
サイズは通常のS・M・L・・ではなく、S2・S3・S4となります。フレームサイズは全てSサイズとしトップチューブの長さが違う3段階(海外では5段階。S1とS5は日本未入荷)を選べます。背の高さというより好みのライディングに合わせてサイズを選ぶイメージです。

価格は1,210,000円(税込)

Vol.34 SRAM Rival e-TAP AXS × SPECIALIZED AETHOS

スラムがRIVALグレードに電動(無線)コントローラーを搭載したコンポーネント「RIVAL e-TAP」を発表しました。

それに合わせて各社ミドルグレードのバイクを一斉に刷新しています。

当店もTARMAC SL7とこのAETHOSにてオーダーを入れたところ先行してAETHOSが入荷してまいりました。

まずはSRAM RIVAL e-TAPについて

スラム社は世界三大コンポーネントメーカーとしてシマノ、カンパニョーロと並ぶブランドです。

ロードコンポーネントとしては新しく2007年にはじめてFORCE(2×10speed)を発表。構造がシンプルで壊れにくく軽量なのが特徴。後出しメーカーの利点と他社が敷いたパテントの裏をかくようなアイデア満載でマニア心を刺激する部品造りが上手です。

このe-TAPも電動としては後発になりますが、配線を一切排した無線にすることで簡単にインストールすることができます。従来の機械式(ワイヤー式)の操作方法にとらわれず、電動スイッチの利点を生かした機能配置にしてありとても使いやすいです。

今回3rdグレードのRIVALにこの無線電動機能を追加するにあたり、上位グレードにあったレバーのアジャスター機能と追加スイッチのポートを廃しました。これによりレバー本体は少し小ぶりになり手の小さな方にも握りやすくなりました。コンポーネント単体の販売は少し遅れますが通常仕様で19万円あたりになるようですので、気になった方はご相談ください。

そしてAETHOS

スペシャライズドが昨年秋に発売した超軽量なロードバイクシリーズがこのエイトスです。

そもそもロードバイクの軽量化は40年くらい前から始まっており、2010年時点で6.5kgを下回る完成車をつくることはそんなに特別なことではなくなりました。ここ数年ではカーボンフレームにカーボンホイール、デュラエースを組み合わせるだけで6.5kgあたりになってしまい、レースのレギュレーションの6.9kgに合わせるためにはそれなりの工夫が必要になりました。

そこで各メーカーは従来のロードバイクにエアロ性能や快適性能を取り入れるべくディスクブレーキ化を図りました。その結果、ハイエンドモデルでも7.5kgくらいまで重くなってしまい…最新のロードバイク≒最速のバイクではなくなってしまいました(われわれ一般人にとっては)。

そこで注目を集めたのが極端な高速性能を求めず、トータルバランスと軽量性で誰もが乗りやすくスムーズなバイクを提案したのがこのAETHOS。

無理に軽く作ったわけではないのでナーバスな挙動はありません。

過剰でもなく足りなくもない、今一番乗りやすいロードバイクと言えます。今回、このAETHOS×SRAM e-TAPが上質なロードバイクを求めるサイクリストに贈る最高の組み合わせだと思います。

Vol.33 SPECIALIZED HOTFOCK20

スペシャライズドのキッズバイク「HOTROCK」です。

この自転車にはお子様が自転車を好きになる要素がたくさん含まれています。

まずはデザイン。迫力ある20×2.1インチの本格オフロードタイヤに40㎜ストロークのサスペンション。目を引くフレームカラーは小さいながらも存在感があります。

設計・コンポーネント選びもしっかりしており、お子様でも扱いやすいパーツが選ばれています。例えば少し下側にベンドしたトップチューブは小さいお子様の足つきがよく、恐怖感がありません。またブレーキレバーはピボットがハンドルバーに近く設定された子供用デザインなので、手の小さいお子様でもしっかりブレーキをかけることができます。

ブレーキは前後Vブレーキ採用。チェーンには脱落防止のデバイスが装着されているので少しぐらいハードに扱っても遊び先でトラブることもないでしょう。

20インチは小学校入学前に購入して、4年生くらいまで十分に使えますので子供車の中では一番長く使えるサイズだと思います。子供の身体能力が一番発達する時期にしっかりしたMTBに乗らせてみませんか?

価格は38,500円(税込)

Vol.32 SPECIALIZED STUMPJUMPER COMP

STUMPJUMPERはスペシャライズド社の初期からあるマウンテンバイクです。時代が変わりスペックや姿は大きく変わりましたが、「裏山を駆け回りたい」というマウンテンバイク本来の用途・目的を果たすべく進化してきました。

現行・新型のスタンプジャンパーはフロントに140㎜ストロークのFOX製サスペンション。リアは同じくFOX製のショックユニットを搭載して130㎜のストロークを実現しています。

クロスカントリーならEPICに。ダウンヒルならENDUROやDEMOに任せ、STUMPJUMPERはそのどちらも楽しみたい欲張りなトレイルライダー向けて開発されています。

走りだけでなくフレームの中にチューブなどを収納できるSWAT DOORが設置されており、いつでもライドに集中できる準備が整っています。

価格は484,000円

Vol.31 SPECIALIZED CHISEL LTD フレームセット

スペシャライズドのエントリーMTB「CHISEL(チゼル)」の限定フレームセットが入荷しました。

エントリーMTBと言っても価格がエントリーグレードなだけで、中身は十分レースで戦えるスペックを有しており、29インチのホイールと寝かされたヘッドアングルにより登りも下りもストレスなく走れます。

完成車で買うのが手っ取り早いですが、フレームセットで手に入れて「パーツ何にしよう~」と考えている時間も楽しいですね。

価格は165,000円(税込)

Vol.30 Future Shock 2.0(SPECIALIZED)

SPECIALIZEDの「ROUBAIX」や「CREO」「DIVERGE」に搭載されているFuture Shockとはなんぞや?という疑問についてお答えしていきます。

簡単に言うとステムの下にサスペンションを埋め込んで路面からの振動を吸収させ、ペダリングに集中できるようにしようという装置です。もちろんSPECIALIZEDだけの独自設計です。

分解すると下の写真のようになります。

ベアリングサイズは上が1-3/8。下が1-1/2なので、どの自転車にも流用できるわけではありません。特に上が1-3/8のフレームなんてなかなかないですね。ということでやはりSPECIALIZED専用ということになります。

ステムにダンパーやサスを組み込むシステムは30年前にはすでにありましたが、ハンドリングに剛性不足を感じたりダンシングのリズムが難しくなったりと・・・わりとデメリットもあり一般化しませんでした。

SPECIALIZEDはこのFuture ShockをS-WORKSを含む上位モデルには2.0を。下位モデルには1.0を搭載しています。2.0は油圧ダンパー(ロックアウト可)になっており1.0はスプリング式で共に20㎜ストローク。

重くなるのでは?と心配する人のために測定してみました。

フォークにショックユニットを搭載した状態で770g。CREOのフォークなので一概に比較はできませんがグラベル用のフォークなら500gくらいはあると思うので追加重量はわずか300g。

Future Shock単体の重さは337g。恩恵を考えるとかなり優秀な装置と言えます。

特にe-Bikeなどの重量級のバイクは抜重などで衝撃を逃がしにくいのでmustアイテムと言えるでしょうね。

vol.29 SPECIALIZED CREO SL COMP(e-BIKE)

「今年はe-BIKE元年だ!」と言い続けて早3年程経ったと思いますが、2020年春SPECIALIZEDのe-BIKE「TURBOシリーズ」の登場により、ようやくe-BIKEが動き始めたと実感しています。

e-BIKEの出始めは30万円超えが当たり前で、少しずつ安くなっていくことを期待して買い待ちされている方が多かったと思います。しかしSPECIALIZEDのe-BIKEは33万円から。メイン機種はロードタイプのCREO SL COMP(72万円)。ロードバイクとしても高額と言える70万円超えのバイクがどうしてこんなに売れるか。

それはSPECIALIZEDのe-BIKEが他社に比べて圧倒的に軽く、アシストのフィーリングがとてもナチュラルで、あたかも自分の足でペダルを漕いでいるかのような感覚になれるからです。スポーツバイクを乗る以上(アシストは欲しいが)あくまで自力で走っている感覚は大事。このCREOシリーズはわずか3㎏ちょっとの電動ユニットを抱えるだけで実業団選手並みのパワーを好きな時に好きなだけ使えるところが魅力。

アシスト領域は日本仕様で24㎞/hまで。10㎞/hまでは踏力の2倍を上乗せしてくれて、10㎞/hを超えると24㎞/hまで少しずつアシスト力が下がるようにプログラムされています。パワーモード、ノーマルモード、エコモードの出力特性を上記の範囲内でカスタムできることろも面白い。