Vol.38 SPECIALIZED ROUVAIX

スペシャライズドのエンデュランスロードバイク「ROUVAIX(ルーベ)」が入荷しました。

エンデュランスロードとは?ルーベとは?簡単に説明しておきます。まずロードバイクと一言で言っても目的や性能によっていろんな種類があります。例えばランニングシューズの中にはウォーキング+αのものやトラックで使うもの、中距離、長距離。クッション性の良い物、軽い物。ロードバイクとは基本的に全て競技用ではありますが、軽くて登坂性能に優れるモノ。剛性が高くてスプリントに適しているモノ。エアロ性能が高く、高速巡行が得意なモノ。このROUVAIXは振動吸収性能が高く悪路を長時間乗っても疲れにくいバイクです。ではサイクリング用か?というとそうでもありません。先に述べたようにロードバイクは基本的に全て競技用です。ROUVAIXは舗装が悪く、距離が長いレース用に開発された競技用バイクです。

「ROUVAIX」とはフランス北部の町の名前。サイクリストの間では「パリ-ルーベ」というレースで有名です。パリからルーベまで250㎞以上走るレースですが、その工程には無数にパヴェ(石畳)区間があり、ライダーにも機材にも耐久性が求められます。そのレースの名前を冠したこのバイクは言うまでもなく「パリ-ルーベ」で勝つためのバイク。

身体とバイクが繋がるハンドルとサドル周りには他のロードバイクにはないギミックが入っています。ますハンドルの付け根部分にはFUTURE SHOCKというサスペンションが入っています。これにより悪路でバイクが暴れてもライダーはバランスを崩すことなくペダリングに集中できます。シート部分はシートポストをフレームの奥の部分で固定してあり、シートポスト全体がしなるように作ってあります。

ステムの下にはサスペンションが入っています
シートピラーはシートステー直上で固定されています

フレーム自体はTARMAC譲りの高剛性で廉価モデルでもFACT10Rのカーボンを使っており、軽さ、反応性は申し分ありません。エンデュランスロードは走らない・・・という概念はこのバイクに限ってはまったくありません。

速いバイクが快適で何がわるい!!

特に日本の超ショートなロードレースにぞっこんでなければ、このバイクがBEST BUY!だと思います。

今回入荷したこのROUVAIXは当店の試乗車兼レンタサイクルとしてしばらく活用しますので、この機会にぜひ一度堪能してみてください。

Vol.30 Future Shock 2.0(SPECIALIZED)

SPECIALIZEDの「ROUBAIX」や「CREO」「DIVERGE」に搭載されているFuture Shockとはなんぞや?という疑問についてお答えしていきます。

簡単に言うとステムの下にサスペンションを埋め込んで路面からの振動を吸収させ、ペダリングに集中できるようにしようという装置です。もちろんSPECIALIZEDだけの独自設計です。

分解すると下の写真のようになります。

ベアリングサイズは上が1-3/8。下が1-1/2なので、どの自転車にも流用できるわけではありません。特に上が1-3/8のフレームなんてなかなかないですね。ということでやはりSPECIALIZED専用ということになります。

ステムにダンパーやサスを組み込むシステムは30年前にはすでにありましたが、ハンドリングに剛性不足を感じたりダンシングのリズムが難しくなったりと・・・わりとデメリットもあり一般化しませんでした。

SPECIALIZEDはこのFuture ShockをS-WORKSを含む上位モデルには2.0を。下位モデルには1.0を搭載しています。2.0は油圧ダンパー(ロックアウト可)になっており1.0はスプリング式で共に20㎜ストローク。

重くなるのでは?と心配する人のために測定してみました。

フォークにショックユニットを搭載した状態で770g。CREOのフォークなので一概に比較はできませんがグラベル用のフォークなら500gくらいはあると思うので追加重量はわずか300g。

Future Shock単体の重さは337g。恩恵を考えるとかなり優秀な装置と言えます。

特にe-Bikeなどの重量級のバイクは抜重などで衝撃を逃がしにくいのでmustアイテムと言えるでしょうね。