Vol.30 Future Shock 2.0(SPECIALIZED)

SPECIALIZEDの「ROUBAIX」や「CREO」「DIVERGE」に搭載されているFuture Shockとはなんぞや?という疑問についてお答えしていきます。

簡単に言うとステムの下にサスペンションを埋め込んで路面からの振動を吸収させ、ペダリングに集中できるようにしようという装置です。もちろんSPECIALIZEDだけの独自設計です。

分解すると下の写真のようになります。

ベアリングサイズは上が1-3/8。下が1-1/2なので、どの自転車にも流用できるわけではありません。特に上が1-3/8のフレームなんてなかなかないですね。ということでやはりSPECIALIZED専用ということになります。

ステムにダンパーやサスを組み込むシステムは30年前にはすでにありましたが、ハンドリングに剛性不足を感じたりダンシングのリズムが難しくなったりと・・・わりとデメリットもあり一般化しませんでした。

SPECIALIZEDはこのFuture ShockをS-WORKSを含む上位モデルには2.0を。下位モデルには1.0を搭載しています。2.0は油圧ダンパー(ロックアウト可)になっており1.0はスプリング式で共に20㎜ストローク。

重くなるのでは?と心配する人のために測定してみました。

フォークにショックユニットを搭載した状態で770g。CREOのフォークなので一概に比較はできませんがグラベル用のフォークなら500gくらいはあると思うので追加重量はわずか300g。

Future Shock単体の重さは337g。恩恵を考えるとかなり優秀な装置と言えます。

特にe-Bikeなどの重量級のバイクは抜重などで衝撃を逃がしにくいのでmustアイテムと言えるでしょうね。

vol.29 SPECIALIZED CREO SL COMP(e-BIKE)

「今年はe-BIKE元年だ!」と言い続けて早3年程経ったと思いますが、2020年春SPECIALIZEDのe-BIKE「TURBOシリーズ」の登場により、ようやくe-BIKEが動き始めたと実感しています。

e-BIKEの出始めは30万円超えが当たり前で、少しずつ安くなっていくことを期待して買い待ちされている方が多かったと思います。しかしSPECIALIZEDのe-BIKEは33万円から。メイン機種はロードタイプのCREO SL COMP(72万円)。ロードバイクとしても高額と言える70万円超えのバイクがどうしてこんなに売れるか。

それはSPECIALIZEDのe-BIKEが他社に比べて圧倒的に軽く、アシストのフィーリングがとてもナチュラルで、あたかも自分の足でペダルを漕いでいるかのような感覚になれるからです。スポーツバイクを乗る以上(アシストは欲しいが)あくまで自力で走っている感覚は大事。このCREOシリーズはわずか3㎏ちょっとの電動ユニットを抱えるだけで実業団選手並みのパワーを好きな時に好きなだけ使えるところが魅力。

アシスト領域は日本仕様で24㎞/hまで。10㎞/hまでは踏力の2倍を上乗せしてくれて、10㎞/hを超えると24㎞/hまで少しずつアシスト力が下がるようにプログラムされています。パワーモード、ノーマルモード、エコモードの出力特性を上記の範囲内でカスタムできることろも面白い。